昨日ね、奥さんと一緒に「バチェラー・ジャパン3」の予告を見ていたんですよ。
バチェラー・ジャパン
20人の女性たちが1人のバチェラー(独身男性)を奪い合う恋愛リアリティ番組
そしたら出演者の女性の1人がバチェラーに参加した理由を「自分の価値をもっと高めたい、もっと多くの人に周知したい」って言っていたんですよ。
この「有名になりたい」って考え方は昔からあるもので、
例えば江戸時代が舞台の漫画「バガボンド」とかでも刀を持ったサムライが「天下無双と知られるあいつを切って名を上げたい」みたいなこと言ってるわけです。
で、これってちょっとおもしろいな、というか、「なんで有名になりたいんだろう、なんでみんなに知ってもらいたいんだろう」って思って、奥さんと話したわけですよ。
なぜヒトは有名になりたいのか
なんで有名になりたいのか、結論は以下の2点です。
- みんなに「すごい!」と褒めてもらいたいから
- みんなに「あの人はすごい」と周知されると利益が発生するから
①の「みんなに褒めてもらいたい」という欲望は実感できますよね。
誰しも「認められたい」という承認欲求があるので、「すごい!」って言ってもらえるとなんだかうれしく感じるわけです。
②の「利益が発生するから」は、「あの人はすごい」ってみんなが知っているとその知名度を使ってうまく仕事につなげられるわけです。
江戸時代で言うと権力を持ったお殿さまに雇ってもらえたり、現在ではインターネット、特にSNSを使って知名度を仕事やお金に変えられるということです。
有名になると幸せになれるのか、という問題
そんでね、それだけ聞くと「わぁ、有名になると幸せでハッピーな世界が待っているんだわ私もインフルエンサーになるわフォロワー100万人を目指すわ!」って思っちゃうわけですが、
なーんかちょっと違和感を覚えるわけです。
みんなにすごいって思われるとうれしいということは、逆にいうとみんなに注目されていないとうれしくない、ということではなかろうか?
「いま、それをやれている」ということが重要なのではなく、「みんながすごいと言ってくれている」ことが重要になってくるわけです。
だからさっきの武士の例でいえば、
「刀を振るのが大好きで、めちゃくちゃ強いけど山奥の村でさらなる高みを目指して修行してる」という状態では満足できず、
「めっちゃ強いって京都で有名になってなきゃイヤ」ということ。
で、この「有名になりたい、すごいって言われたい」という感情は相対的なものなので、ランキングの世界なわけです。
比較対象が必要で「順位付け」が基本となる価値観ですね。
で、この順位付けが基本の世界って、しあわせとは関係ないんですよ。
漫画「絶望に効くクスリ」のなかで、臨床心理学者であり文化庁長官だった河合隼雄氏が作者の山田玲司さんとの対談でこんなことを言っています。
(子どもを持つ親がすぐに成績の順位を気にすることについて)
山田玲司 「順位って、幸せとは関係ないんでしょうか?」
河合隼雄 「順位(それ)にとらわれた人が、不幸になるんです。」
ランキングを意識せず、自分が好きなことをただやっている人の方が幸せになれるということです。
「他の人」は関係なく、しあわせになる軸は「自分の中」にあるってことですね。
アプリとブログのユーザーはニーズが違う
で、ちょっと話が変わるんですが、私はつい最近このブログをはじめたんですよ。
ブログを書き始めるからにはそれなりにアクセスがあった方がいいと思って、有名なブロガーさんたちのブログやTwitterをちょっと研究してたんですよ。
そしたらね、「・・・なんか殺伐としてません・・・?」と感じちゃったわけです。
何が殺伐としているのかというと、私が参考にした有名ブロガーさんたちがこんな感じのことを書いてたんですよ。
- 月収◯◯◯万円達成、正直ブログ◯◯◯記事買いて月収◯◯万円いってない人は考えた方がいい
- ◯◯◯万PV達成!私はブログで成功するために◯◯◯個のブログを分析した。同じだけ分析していないのに◯◯◯万PVを目指すとか考えが甘い
- SNSで◯万フォロワーいない人は、正直いないのと同じ
ちょっとカルチャーショックといいますか、私がアプリの仕事をしてたとき有名な開発者さんがたくさんいらっしゃいましたが、みんなもっと温かかったんですよ。
「みんながんばってるんだから、みんな売れるといいよね!」みたいな。
でもね、批判しているわけではなく私が参考にしたブロガーさんたちはとっても成果を出している有名な人たちなので、自慢したいとかではなく必ず理由があると思ったわけです。
ほんでその理由を考えた結果、対象となるユーザー(お客さん)のニーズが違うからだってわかったんです。
アプリの場合、そのアプリを使うユーザーにとって「アプリが使いやすいか、楽しいか」が重要です。
逆に言うと、作った開発者がお金持ちだろうが有名だろうが一切関係ありません。
それに対してブログのユーザー(お客さん)は、そのブロガーさんを目指してることが多いわけですよ。(ブログの分野にもよりますが)
例えば「アフィリエイトを成功させるための方法」を紹介しているブログを読んでいる人は、自分もそのブロガーさんみたいにアフィリエイトで成功したいわけです。
すると、ユーザーが求めているのは「月収◯◯◯万」とか「月間◯◯◯万PV」になるための情報なので、その情報を発信しているはずのブロガーさんが「すごい人」じゃなかったら全く意味ないわけですよ。
説得力がなく、読む価値がないわけです。
サッカーがうまくなりたい人は誰だってサッカーうまい人に教えてほしいわけで、サッカーやったことない人になんて教えてもらいたくないのと一緒です。
そんなわけでブロガーの人たちは「私はこんなにすごい!儲かっている!私のマネをすれば同じようになれる!」とプロモーションすることは集客的に重要になってくるわけですね。
(みんなが与沢翼さんみたいな感じ)
「お金を持って成功しているよ!私はランキングで上位だよ!」というブランディングが必要なわけです。
成功しなくてもいいから自分がやりたいことをやる
それで、いろいろ考えたんですが、
結論、私は成功しなくてもいいから自分のやりたいことだけをやろうって思ったんです。
ブログやSNSに限らずビジネスで成功するためには「みんな」が求めているもの提供していく必要があるだろうし、「みんな」にすごい!って思われることも重要のようですが、
でも、私がやりたいことはそれとは違うな〜って思ったんですね。
わたしは「みんな」ではなく、「自分」を軸にして行動しよう、と。
順位や成果は考えず、自分がやりたいかどうかだけを基準にしよう、と。
世のブロガーさんたちがそれぞれの目的のために一生懸命にがんばったり自分をプロモーションしていくことは素晴らしいことだとは思うのですが、
私は正直もう、順位を気にして闘いの螺旋に入るのはコリゴリです。人生は短いですし。
もしも「私が楽しい」を続けていって、その先にたまたま誰かのニーズにあって「成功」が存在したらそれはそれでいいし、それが誰の利益にもならない世間でいういわゆる「失敗」でもいいと思うんです。
だから、ぶっちゃけこのブログは誰のメリットにもならないかもしれません。
でも、私が楽しければそれで最高です。ブロリーの記事(【浪費より投資?】欲しいものは今すぐ買え!【いまを生きる】)を書いてるときめっちゃ楽しかったですから。